2009/12/07

乙女は虚無的で妄想癖で残酷

天満 - 西天満 - 梅田の三角形は、ほぼ僕の毎日のチャリルートなのですが、西天満-梅田間をチャリで走らせているとき、老松町の入口くらいかな、あのあたりのギャラリーがたくさん軒を連ねているあたりにですな、なにやら僕好みの色キチガイ的な絵を見つけて、これは見とかないとな~、と思いつつも、季節は師匠やらエラいさんやらまでもがせわしなく走りまわっている師走。おかげさんで僕も多忙を極めておりまして、立ち寄りたいと思いつつ、いつも全速力でこのギャラリーのまえを通過していたのですが、つい先日、このままやったら逃してしまう!と、都合をつけて、ドアをこじ開けたのでした。そしたら、その日が、最終日の前日。滑り込みセーフでした。

そもそも、なにに心惹かれたのかというと、この、外壁に貼られた絵の色使いですね。この配色が、僕のドンピシャでして、色キチガイの所以(笑)
プリントアウトしたものかと思っていたら、近づいてみると、実際に描かれたものでした。



中に入ってみると、ホリゾントの壁に、原色の洪水のような絵が大小10点弱。

どれもが婦女子さんを描いているのですが、ほぼすべての絵で顔が花で隠されていて、原色をカラフルに使いながらも、どこか、翳りを表現しているのが見てとれて、表層的に描いているのではないのだな、ということが、わかります。村上隆のような、つるんとしたかんじでは、ない。

ギャラリーのディレクターらしき人がいたので、話を聞いてみると、この絵を描いている作家、町田夏生さんは、「乙女」をキーワードにずーっと書き続けているのだけれども、それこそ去年までは顔が全面に出ていたのが、だんだんと、花などで隠すようになり、内面を表現する方向にシフトしている最中、とのこと。

ナボコフの名作「ロリータ」の冒頭は、女学校の名簿を読み上げ、名前の羅列だけのテキストを、最上の詩だ!と言い放つところからはじまるのだけれども、それに通じる変態性というか、乙女というキーワードが内包するダークネスが、ここにはありますな。

妄想であったり残酷さであったり虚無感であったり、カラフルに飾った裏に透けてみえるそれらのダークネスが、美味く表現されていて、甘みは隠し味に塩を使ってこそ引き立つというけれども、それに似た、相反する矛盾を同居させることで深みを与えるような、そういう企みが、この人の絵からは見てとれます。

ただ、乙女を巡るそうしたテーマは目新しいものではないし、むしろ、ある筋では王道ですらあります。その意味で、こっから先が楽しみというか、ここをスタート地点にしてどこに向かうのかなあ、と、期待しますね。

裏側をえぐりとる力は、この作家にはあると思います。
なので、しばらくはフォローして、こっから先の展開を見てみたいな、と、思ったのでした。





町田夏生 展(YODギャラリー)
※2009.11.15-12.5
大阪市北区西天満4-9-15
tel. 06-6364-0775
URL / YODギャラリー(http://www.yodgallery.com/
町田夏生(http://natsuki-machida.net/

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