2010/01/26

不思議な仕掛けがいっぱいのレトロビル「フジハラビル」は、いつ行っても新しくて楽しい☆



知り合いが絵の個展を開いたので、行ってきました。
会場は、大阪天満宮の南にある、フジハラビル。とてもとても、味わいのあるビルです。
はっきり言って、知り合いの絵は常時見ているので、個展はどうでもよかったんです(笑)それよりも、お目当てはフジハラビル!かーなりおもろいビルですよ☆

1923年(大正12年)の建築。外壁は味わい深い茶色のスクラッチタイルで、地下1階、地上4階。ギャラリーやデザイン事務所などとして使われてるビルです。ここで個展を開く人も後を絶たず、もはや名物ビルです。




レトロビルや古民家のリノベーションは今、大阪でもわりと盛んだけれども、フジハラビルは、そんなブームがやってくるずっと以前にリノベーションされたところです。というか、今もあちこちを補修していて、人を飽きさせない仕掛けも常に更新されてます。
もっとも、このビルのすごいところは、オーナーの藤原さんがたったひとりで10年がかりで補修されたというところ。ちなみに藤原さんは、大学で法律学の教鞭をとっておられた先生なので、素人っちゃ素人ですねん。

バブルの最中の1988年(昭和63年)に、おとうさんの藤二郎さんが亡くなり、それを機に、ビルのオーナー職に就かれたんですが、そんときは廃ビル同然の惨状で、取り壊そうと思ったらしいです。普通、そうしますわな。でも、おかあさんの「愛着のあるビルだから残してほしい」というひとことが、藤原さんを思いとどまらせ、一念発起して、ひとりリノベーション! もうね、DIY精神のカタマリみたいなもんですから☆

それからというもの、ホームセンターに毎日通い、道具を買っては壁を剥がしたりペンキを塗ったり。壊れていたトイレも修理したそうです。もちろん失敗も数多く、水道管を破裂させたことも何度もあるとかで。
それでもめげずにひとりで格闘し、ビルは少しずつ生き返らせます。
素人仕事ゆえ、ペンキ塗りにムラがあったり床がでこぼこしていたりもするんですが、それがまた不思議と建物の味わいを増してるんですよ。

薄暗いエントランスを通って階段を上がったところで、不意に小鳥の鳴き声がしたり(センサーで人に反応する仕組みになっている)、窓をのぞくと向かいの屋根に陶器の犬が寝そべっていたり…。
普通のビルにはない楽しみかたができます。




外観だけを見ると、耐震強度とか大丈夫なの?と不安になること請け合いなのですが(笑) 常に変化することをモットーにされているので、意外なほど新しい試みが導入されています。

ギャラリースペース確保のために徹夜で壁を抜いたり、ビル全体に音響設備を設置したり、窓に大型プロジェクターを仕込んで映像を流したりと、案外と最新設備が満載なのです。

地下と4階が多目的スペースになっていて、演劇やコンサートが行われてます。その演劇とリンクして1階窓のプロジェクターでは劇中劇の映像が流されたり…、ちょっと他では見られない仕掛けもあります。
2階と3階はテナントやデザイン事務所なのだけれども、階を上下する階段の壁いたるところが、ギャラリーになってます。もう、ビル全体がギャラリーのためのスペースみたいなもんです。







その、飽きなさ加減というか、レトロなビルなのに、常になにかしらの新しい発見があり、常になにかが更新されているところがね、このビルの素敵なところです。

もともとが破産法の専門家でもある法律家の藤原さんなので、多くの再生レトロビルが、改修するだけで満足してしまって一時的に人気が出てもすぐに飽きられてしまう現状をよく知っておられて、そうならないために活用される方策、テナントや貸しスペースとしての価値を高めるアイデアを、常に考えておられます。


これは、外壁に描いた壁画(笑)
フジハラビルが羽ばたいた画家さんが日展に入選され、それを記念して、壁画にしたそうです。吹きっさらしの絵って、すごいなっ!





ここみたいに生き生きとした近代建築って、滅多にないと思います。
それは、オーナーの藤原さんが、この建物に惜しみなく愛情を注いでおられるからです。
訪れてみると、そのことがよくわかります。











フジハラビル
大阪市北区天神橋1丁目10-4

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